虫とわたし

だんだん秋らしくなってきました。

 

f:id:flyingdice:20200926225731j:plain


日が短くなって木の葉がいっせいに落ち始めています。
先週まで聞こえていた蝉の声も全然ない。突然いなくなった感じでなんだか寂しいです。

ひたすら外出自粛して(今もですが)どっこも行かなかった今年の夏。
虫の話題で夏を振り返ることにします。笑

 


今年の夏は全体的に例年より虫が少なかったように感じます。
晩夏のツクツクボウシもいることはいるけどいつもより声が聞こえませんでした。鳴いている期間も短かったし。もしかして、7月のひどい長雨や豪雨のせいでたくさんの蝉の幼虫が地中で溺れてしまったんじゃ・・
蚊すら例年より少なかった気がします。長雨の後の日照りで逆に繁殖しにくかったのでしょうか。涼しくなった今頃よく刺されています。

 


毎年夏になると蝉やカナブンがマンションの廊下によく裏返しに転がってジタバタしています。
夏の短い間だけ繁殖しようと頑張っている虫達だと思うと、うっかり裏返ったことでそのまま命が終わってしまうなんてあんまり可哀想で、見つけるとなるべく素通りせずに表に返して手すりのところに置いてやっています。
少し勾配が付けてある手すりなので、元気が出たら上って行って虫のタイミングで飛んで行けます。

 

f:id:flyingdice:20200926225806j:plain


もちろん急いでいる時は「スマン、帰りにまだいたら手伝う!」とスルーです。でもけっこうな確率で帰宅時に同じ位置にいます。ツンツンしてみて弱々しくてもまだ動けば手すりへ。

 


そういえば去年の夏、ジタバタしている虫を発見してカナブンか?と近づくとカメムシの大きいやつでした。カメムシがひっくり返っているのはあんまり見たことないんですが、たまたまそうなっちゃったみたいで。
『カ・・カメムシ!臭いやつだ〜。今回は通り過ぎよう・・』
しかし数歩進んだところで心の声が。
『カナブンや蝉は助けてやってカメムシは助けないの?それってひどくない?』

うーーむ、これって天に試されている!?

・・・結局引き返して、持っていたペンで触って助けてやりました。
その後急いで保育園のお迎えに行くと、園内の畑の方からカメムシを握りしめて走ってくる娘。先生「今年は大量発生しちゃって。」
「カ、カメムシ臭くない?」と娘に尋ねると鼻にくっつけてクンクン。「臭くないよ。」子供達に触られまくってすっかり弱って匂いもなくなったカメムシでした。
また畑に逃がしてやりました。


蝉、カマキリ、カミキリムシ、蝶や蛾の幼虫、カメムシ等、保育園の園庭にやってきた様々な虫は、虫好きの園児達にすかさず捕まえられてみーんな弱っています・・・
身をもって子供達にいろんなことを教えてくれている虫達に感謝です。

 


今年は家の玄関を出たところに玉虫が一匹やって来ました。

 

f:id:flyingdice:20200926225937j:plain


なんと美しい。お腹側も丸ごとメタリックグリーン!
娘がひとしきり観察した後、1階の植え込みに逃がしてやっていました。「葉っぱの布団の近くに置いてやったよ。」と得意げに言っていました。

 


わたしが子供の頃、福山の実家の周りでよく蝉捕りをしました。当時はアブラゼミばっかりで、クマゼミは少数派。そのぶん価値がありました。
ところが近年、実家に帰るとクマゼミばっかり。まるっきり変わりました。これも気候変動のせいでしょうか。

 


わたしが虫を苦手ではなくまあまあ平気(ゴキブリはダメです)なのは母の影響かもしれません。
虫の名前や捕まえ方、持ち方は母に習ったような気がします。
母は赤ちゃんの頃、マッチ箱にカナブンを入れたのをガラガラ代わりに持って遊んでいたそうです。小学生になると蜂の巣が取りたくていつも木に登って蜂に刺されていたと言っていました。
そういえば、昆虫ではないけど物置小屋の壁にジグモの袋状の巣が貼り付いているのを抜いて見せてくれたのも母でした。これは楽しくて相当抜いて遊びました。

 


娘も虫が大好きです。
「ミツバチはフワフワのマフラーしててお洒落だね。」「この虫はコワイ虫?やさしい虫?」なんて言ったりして、ちょっと擬人化している様子です。
ナウシカみたいに生き物にやさしい大人になってほしいですが、毛虫や蜂には触らないように言っています。

 


ちょっぴり不思議な虫話。
7〜8年ほど前。
夏の雨上がりの夕方に近所を歩いていると、側溝の格子状の蓋の上に大きなアゲハチョウの幼虫がいました。とっても目立つ状態で、いつ鳥に食べられてもおかしくありません。『植え込みの葉っぱから落っこちたのかなぁ』と思いつつ、そろーっとつまみ上げるとめちゃくちゃウネウネ動きます。幼虫を触るのは久々だったのでうろたえながら『うわーーっちょっと動かないでー』と横の植え込みに放り込む感じで戻してやりました。
それから2週間ほど後のこと。
同じ道をまたプラプラと歩いていると、すごく大きな黒アゲハがフワフワフワ〜と飛んで来ました。そのままわたしの真っ正面にやって来たのでビックリして立ち止まると、腕(ノースリーブでした)をコショコショッと脚で触ってまた飛んで行ったのです。周りを歩いていた人達も「何だろ」みたいな感じで見ていました。
『ビックリしたー』としかその時は思いませんでしたが、しばらくたってから『もしや・・あの蝶はあの時のアオムシ?!』
そうです、蝶が「あの時はありがとね♡」と言いに来てくれたのかなあと勝手に思ったというだけの話なんですけど。笑 
でもそうだといいなぁ。

 
来年の夏は元気な虫達に会えるでしょうか(ゴキ以外で)。

 

虫の事を考えていると地球全体を考えないわけにはいかないですね。
コロナ禍で人類は大変なんですが、加速する気候変動で他の生き物もみんな大変です。相次ぐ森林火災や北極南極の永久凍土消滅。


一方で世界の大国は北極南極の資源開発。もしかして凍土が溶けて掘削しやすくなったっていう超プラス思考な感じ・・?
でも凍土の下には未知の微生物やウィルスもいるらしくちょっと不安です。

www.swissinfo.ch


そんなことを考えながら、少しずつ帯地を染めていた今年の夏でした。

f:id:flyingdice:20200926230033j:plain