メスキータ展

昨夜の一雨のせいか少しだけ気温が下がりました。とはいえまだまだ暑い。早く秋が来ないかなー。
 
 
 
東京駅のステーションギャラリーにメスキータ展を観に行きました。
 

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サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ。
19世紀後半〜20世紀前半のオランダのアーティストで、木版画を多く手がけた人です。
白と黒のバランスと構図が強烈にカッコいい!
細かな陰影も全て彫りの線の強弱で表現されています。
 

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版画家としての活動以外にデザインの仕事もしていて(それがまた本当にカッコいい〜)、さらに美術学校でも教師をしていて生徒にはエッシャーもいました。
 

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メスキータはユダヤ人だったのでナチスに拘束されてアウシュビッツで家族と共に殺されました。アトリエの作品はエッシャーや生徒達が命がけで持ち帰って守ったそうです。
戦争って本当に最悪です。
 
 
エッシャーは、「先生は日頃『白と黒の世界を制作する中では、自然界にある白黒の動物などを題材に選ぶことは控えた方がよい』とおっしゃっていたが、後日先生の作品の中にシマウマなどの絵を見つけたときには大変驚いた」と言っています。ちょっと微笑ましいですね。
言葉通り、シマウマや牛の作品が展示されていましたが、やはり制作することを考えると難しいなぁと思います。全てがカラーの実世界を白黒のバランスで考えて作品にするのとは違って、シマウマや牛はカラーの中にそこだけモノクロで存在しているので周囲との白黒バランスを取りづらいです。色の付いたものと同等に陰陽のバランスをとるのは難しいですもんね。
 

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(上の写真は帰りに買ったポストカードです。その他の写真は天井から下げられた撮影可の印刷物。本物は主にトレーシングペーパーのようなごく薄い紙に刷られた小さめのサイズの作品でした。)
 
 
こんな素晴らしいアーティストの作品を守り抜いてくれたエッシャーとお弟子さん達、どうもありがとうございます!!