夏の山陰旅

広島に帰省した後、北上して島根に行って来ました。
電車の旅は楽しいです!

松江では、小泉八雲記念館とお隣の八雲旧居に行きました。
家から持って来た文庫本に記念スタンプ!(写真下は失敗・・)

小さい頃読んだ『耳無し芳一』は暗くて怖いお話でしたが、大人になって改めてハーンの著作の翻訳本を読んでみると、印象が変わります。
墓場の中で一心に琵琶を弾く芳一を囲んで、合戦で命を落とした平家一族の火の玉がむせび泣きながら飛びかう様子は、切なくて美しいです。


『鮫人の恩返し』も不思議な話で惹かれます。
竜宮を追い出された鮫人が、人間の男の庭の池に間借りして棲まわせてもらうことになるお話です。
鮫人は、人間に似ているけれど、真っ黒で鬼のような顔、目はエメラルド色、髯は龍のよう。流す涙は、血の涙。でも流れ落ちて固まると、キラキラ輝く美しいざくろ石(ルビー)の粒になるのです。最後は竜宮に帰っていきます。いつか絵にしてみたい物語です。


旧居の小さな庭。

ハーンの物語は、奥さんのセツさんが日本各地に伝わる話を集めて話して聞かせたものを綴った海外向けの再話集ですが、随筆も素晴らしいです。
ハーンが日本に来た時は、ちょうど明治維新によってそれまでの日本文化が大きく変わる時代でした。何もかも西洋化されようとする日本の将来を憂いながら、失われつつある日本の美・精神文化について書き残しています。
今読むと、どんなに日本人が変わってしまったかよく分かるし、自分自身も外国人のような目線で読んでしまいます。



ハーンさん、極度の近眼だったので、机が椅子に対してかなり高い位置だったようです。卓上に法螺貝が置いてあって、仕事中にお女中を呼ぶのに使っていたらしいです。笑


出雲民藝館にも行って来ました。


写真はすべて、藍染めのオムツ!(たぶん明治時代)
今の時代では本当にぜいたくぅ〜



お詣りもして、美味しい出雲蕎麦も食べられて、楽しい夏の旅でした。