操り人形の秘密

小金井市はけの森美術館で開催中の「江戸糸あやつり人形結城座 〜糸し糸しと言ふ心〜」のワークショップに友人と一緒に参加しました。
結城座は江戸時代から377年続く操り人形の一座で、現在は三島由紀夫江戸川乱歩の原作を脚本にした現代劇も行っているそうです。今日は、座長の結城孫三郎さん自らが、人形の仕組みはもちろん、衣装を着せながら糸を付けていく工程まで、まるごと見せてくれるという企画です。

人形の骨組みは、男女によって異なるそうで、女の人形は、裾が美しい動きになるよう、足先がありません。胴体も、女らしいくねりが表現出来る仕組みです。
今までは、操り人形というと、人形の関節に付けた糸をバッテンの形に組んだ2本の木に結びつけて、それを両手で持って人形を動かすというイメージでしたが、それは明治以降に入ってきた西洋方式のようで、結城座は、オリジナルの四角い盤の形をしたものに糸を付けて人形を操作しているそうです。

本来は門外不出の内容をここまで詳しく教えてもらえるなんて・・孫三郎さん曰く、「先々代までは秘密だったけれど、仕組みよりも結局は、“どう操るか” だから。」
そして、糸を調整し、着物の着付けを終えた男人形を孫三郎さんがちょっと動かすと・・わ〜ッ!!いきなり人形に魂が宿った!ガニ股でスタスタ歩いて、ぐるんと下から斜め上に首をまわして睨んでる!そして、自在に手のひらの向きを変えながら手先を袖に引っ込めたり出したり。ええーッ!人間にしか出来ないはずの細やかな仕草・・。これは、糸を腕のどこに何本付けるかということと、あとは人形使いの技量で決まるのです。
確かに、この動きは、構造を知ったからといって出来るものではないなーと思ったのでした。
11月には、乱歩原作の舞台も再演されるとか。楽しみ!

※写真は、はけの森美術館展示会場にて、許可を受け撮影させていただいたものです。