其の三

毎回どう書いていいか、迷いつつ少しずつ書いているので、なかなか話が進まなくてスミマセン!
前回は、8年前の秋、何度も繰り返して、河童の絵を目にしていたことをお話ししました。本当に河童がいるんじゃないかと思うほどの偶然の重なり。河童はわたしに何かを伝えたいのか?!
その後も、河童からのメッセージは判明せぬまま、次の年を迎えます。河童を目にするのは秋ほどではないにしろ依然続いていました。でも、その年の3月に個展を控えていたわたしは、作品の制作が思うように進まず、それどころじゃなくなってきたのです。
毎晩遅くまでカッターナイフを握って格闘し、作品がどうにか出来上がったのは、搬入の前日でした。
しかし、切り絵の作品はなんとか仕上がったものの、個展会場で販売する予定のTシャツが出来ていません。シャツ本体や、Tシャツ用のシルクスクリーン印刷機などは早くから準備していたのに、どんな絵にするかということすら、まだ考えてなかったのです。翌日搬入というのに、いくらなんでも時間がなさすぎ。もうTシャツは諦めようかな・・と思った時、寝不足の頭にふと河童が浮かびました。『そーだ!河童の絵にしよう。これだけわたしにアピールしてるんだもの。描いてほしいのかもしれない。』そして出来上がったのは、ギターを担いだ河童の切り絵、“河童のロケンローラー”。すぐに絵を製版し、1枚ずつ手で刷り、明け方には数十枚の河童Tシャツが出来上がりました。
『・・なんか、思いつきで作ったけど、河童の絵のTシャツって売れるんかな・・』自分でも少々ギモンに思いつつ搬入し、個展スタート。す、すると、河童Tシャツは、まさかのスゴい人気!
『エ〜ッ!みんなそんなに河童好きなの?』驚いている間にどんどん売れ、追加で作ったシャツも全て売り切れ。これまでにも展示会場でTシャツを販売していましたが、自分史上最高の売れ行きでした。あるお客様は、自分のスキー仲間の分もと、5枚もお買い上げくださいました。ゲレンデの河童・・想像すると面白いです。
いや〜、もうなんだかよく分かりませんが、河童に感謝!
そして、個展は無事終了。そして、それ以降、河童を目にする回数はだんだん減っていきました。
写真は、自分用に残した当時のTシャツです。

続きは、河童のはなし 其の四にて。